【絶体絶命】火力発電業界を志望する3つの問題点

火力発電業界ってどうなの?会社生活
火力発電業界を志望するリスク

世界的に脱炭素化が叫ばれて久しいですが、日本の発電電力の8割は火力発電。
これから業界はどうなってしまうのか?このまま働き続けて大丈夫なのか?
火力発電業界で12年働いた経験を元に書いてますので、就職や転職を考えている人は必ず参考になるはずです。

火力発電業界はおすすめできない

火力発電業界はおすすめできない

まず結論としては、今の状況でわざわざ火力発電業界に入る理由は見当たりません。
入社の難易度が同じなら別の業種を選ぶほうが無難。

大きな理由としては、環境の変化と脱炭素化への取り組みが進んでいるため将来性に期待が持てないからです。以下で要因を掘り下げていきます。

世界的な脱炭素化の推進

火力発電は化石燃料を燃焼させるため、大量のCO2(二酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)を発生させます。

大気中に排出されて環境に悪いため、パリ協定などの国際合意のもとで温室効果ガスの削減に取り組んでいる状況。

日本もその波の中にいて、再生可能エネルギーの普及で採算悪化による火力発電所の廃止や休止が相次いでいます。

電力需要の変化

2020年の各国発電量

出典:資源エネルギー庁

脱炭素化の推進に伴って、再生可能エネルギーの需要が高まっています。

これが火力発電業界の需要減少につながっているわけですね。

上の図は2020年時点の各国発電量のシェアで、日本の場合は約8割が石炭、石油、天然ガスを燃料とする火力発電であることが分かります。

ただし今後は太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーが台頭するといわれているので、電力業界での競争力が低下すると予想できます。ということは働く側にも悪影響が出るのは必然。

燃料価格の変動

先述の通り、火力発電では石炭や天然ガスなどの化石燃料を使うけれど、こういった燃料は国際的な市場があって変動します。

将来的にも燃料価格の高騰や変動幅が火力発電業界に影響を与える可能性大

火力発電の運転コストが上がると収益は悪化するので、当然そこで働く人たちの待遇にも影響します。

実際に火力発電業界にいて経験した事

火力発電業界ってどうなの?

火力発電業界ってどうなの?

2011年から火力発電業界に身を置いているけど、近年は暗い話題ばかり。

コストカットに躍起だし、上司も売上に気を揉んでいる状況。ここでは職場での経験談を紹介します。

派遣契約の終了

実際に自分自身も就業先から派遣切りの憂き目にあったことが!

何か大きなミスがあったわけではなく、所属課の業績悪化による人件費削減が理由です。

1年後に何とか別の課に入り込めたけど、人員整理は続いていて人は減っている状況。

いつまた居場所がなくなるか分からないため今も転職を視野に入れています。これは心理的にもしんどいです。

受注の減少

派遣先はこれから火力発電所の新設案件は対応しない方針のようです。

既存の火力プラントのメンテナンス業務に絞っていく事になるので、将来的な仕事量増加は見込めなくなります。

定年が近いベテランはまだいいかもだけど、個人的には厳しいなと感じてます…

火力発電業界の脱炭素化への対応

火力発電業界の対策

火力発電業界を取り巻く状況にはみんな危機感を持っていて対策を講じているので取り上げます。

火力発電技術の改善

火力発電技術の向上は不可欠。

例えば排ガス中のNOx(窒素酸化物)を減らすために補器の改良など実施され、従来と比べると大きな効果が出ています。

国内メーカの技術力はとても高くて実績も十分なので、アピールできる要素です。

再生可能エネルギーとの共存

これまでの火力発電の燃料は石炭や天然ガスなどの旧化石燃料でした。

それが太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーへと進んでいます。このままでは火力発電への需要は下がってしまいますね。

ただ、再生可能エネルギーは自然の力に依存してます。

例えばドイツの電力需要は冬場がピークだけど、2022年1月末から12月中旬まで風力発電が大幅に低下したために火力発電が不足分を補いました。

電力の安定供給の面からも、火力発電の需要は残るといえます。

 

ちびくろ
ちびくろ

石炭を燃やすのが火力発電だよね?

くろ
くろ

そう。石炭をボイラーで燃やした熱で給水を沸騰させ蒸気でタービンを回すよ。

ちびくろ
ちびくろ

石炭のほかに燃料はないの?

くろ
くろ

石炭をガスににしてガスタービンを回すIGCCという技術もあるよ。

ちびくろ
ちびくろ

違う仕組みもあるんだね。火力発電もまだ無くなったらダメだね。

火力発電需要は残るが業界を志望する理由はない

ここまで説明した通り、火力発電自体は無くならないです。

新設案件なしでもアフターサービス事業でしばらく仕事量は確保されてもいます。

ただ世界的な脱炭素化の流れは止めようがないので、業界への憧れや技術への興味が無い限りはあえて志望する理由はないという考えで理由は下記3つ。

・世界的な脱炭素化の推進
・電力需要の変化
・燃料価格の変動

火力発電関係で入れる企業があれば、同じ難易度の別業界を選ぶのがベターというのが経験上の結論です。

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